インプラント・ブリッジ・入れ歯を徹底比較!自分にピッタリな治療法はどれ?
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ご自身の歯を失った際、代わりの歯を補う方法には「インプラント」「ブリッジ」「入れ歯」の3つの治療法があります。これら3つの治療法から自分に適切な方法を選ぶためには、それぞれのメリット・デメリットを理解しておくことが大切です。
ここでは、それぞれの治療法の違いや特徴などをわかりやすく解説していきましょう。
インプラント・ブリッジ・入れ歯とは
インプラント
インプラントは、失った歯の代わりにチタン製の人工歯根を顎の骨に埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。天然歯のように噛むことができ、見た目も自然で機能性に優れています。
ブリッジ
ブリッジは、失った歯の両側に残っている歯を支えにし、そこに人工歯を橋渡しにして固定する治療法です。インプラントと異なり、外科手術は不要ですが、健康な歯を削る必要があるほか、噛む力を支える歯に負担がかかります。
入れ歯
入れ歯は、床(しょう)と呼ばれる土台のうえに人工歯がある取り外し式の装置です。一部の歯を失った場合に入れる「部分入れ歯」と、すべての歯を失った場合に入れる「総入れ歯」の2つがあります。
比較的安価で治療期間も短い一方、「噛みにくい」「違和感が強い」などのデメリットがあります。
インプラント・ブリッジ・入れ歯の7つの違い
①治療の方法
●インプラント
顎の骨にインプラントを埋め込む外科手術が必要です。手術後、インプラントが骨の中に定着するのを待つ安静期間も必要となります。
●ブリッジ
外科手術は不要ですが、失った歯の両側にある歯を削る必要があります。
●入れ歯
外科手術は不要で、歯を削る量もわずかです。治療による負担が少なく、比較的簡単に作製できます。
②見た目の審美性
●インプラント
自分の歯と見分けがつかないほど自然な見た目が再現できます。
●ブリッジ
保険診療では金属を使用するため見栄えが悪くなりますが、セラミックなど白い材質(保険適用外)を用いることで自分の歯に近い見た目が再現できます。
●入れ歯
ある程度見た目は改善されるものの、人工的な見た目になるのは否めません。また、部分入れ歯では歯に固定する金具(クラスプ)が目立つことがあります。
③機能的な側面
●インプラント
何でもよく噛め、自分の歯があった頃と同じように食事を楽しむことができます。発音・会話も支障がありません。
●ブリッジ
固定式なので、自分の歯に近い感覚で噛むことができます。発音や会話も問題なく行えます。
●入れ歯
噛む力は天然歯の20%ほどで、硬いものなどが噛みにくくなります。また、違和感も強く、会話・発音もしづらくなります。
④健康への影響
●インプラント
歯を削る必要がなく、他の歯に負担もかけないため、残っている歯の健康が維持できます。ただし、ケアを怠るとインプラント周囲炎になることがあります。
●ブリッジ
隣接する歯を削るため、これらの歯に負担がかかります。また、清掃がやや難しいため、ケアを怠ると虫歯・歯周病のリスクが高まります。
●入れ歯
歯ぐきや金具(クラスプ)を欠ける歯に負担がかかります。長期間使用すると、入れ歯を支える骨が痩せることがあります。
⑤耐用年数などの耐久性
●インプラント
治療後も適切なケアや管理を継続することで、10年以上は良好な状態を維持できます。
●ブリッジ
治療後も適切なケアや管理を継続することで、10~15年ほどは良好な状態を維持できます。
●入れ歯
材質の性質上、3~5年おきの作り替えが必要となります。
⑥治療する期間
●インプラント
早いケースで4か月程度、長いケースでは1年近くかかることがあります。
●ブリッジ
数週間から1か月程度で治療が完了します。
●入れ歯
数週間から1か月程度で作製が可能です。
⑦費用相場
●インプラント
インプラントの治療費は保険適用外であるため、全額自己負担となります。具体的な費用は治療を受ける歯科医院によって異なりますが、一般的な相場としては1本あたり30万円~40万円前後です。
●ブリッジ
保険適用で治療が可能ですが、使用できる材質が限定されます。自然な見た目やさらなる機能性を求めたい場合、費用は高額になりますが保険適用外のブリッジを選ぶのも方法の1つです。
●入れ歯
保険適用で比較的安価に作製できます。ただし、使用できる材料が限定されるため、より機能的な入れ歯をお求めの場合は保険適用外の入れ歯がおすすめです。
それぞれのデメリットは?
インプラント・ブリッジ・入れ歯にはそれぞれにメリットがあり、同時にデメリットもあります。治療方法ごとのデメリットも知った上で、ご自身に合ったものを選びましょう。
インプラントのデメリット
- 外科的手術が必要
- あごの骨が十分にない場合、骨造手術が必要になる
- 保険適応外なので、自費診療になる
ブリッジのデメリット
- 隣の歯を削る必要がある
- 支えとなる歯に負担がかかる
- ブリッジと歯ぐきの間に汚れがたまりやすい
入れ歯のデメリット
- 外れやすく、違和感が出やすい
- 発音しにくい
- 噛みづらい(天然歯の約20%)
- 歯に固定するためのバネが目立つ
※ただし、保険ではなく自費診療の入れ歯を作ることで、これらのデメリットを軽減することができます。詳しくはこちらのブログをご覧ください。
▶入れ歯は保険と自費で何が違う?それぞれのメリット・デメリットを解説
インプラント・ブリッジ・入れ歯はどれがおすすめ?
ご自身の歯を失った際、インプラント・ブリッジ・入れ歯のどの治療法が適しているかは、患者様のお口の状態やライフスタイル、予算などによって異なります。
審美性や機能性、健康面、耐久性などあらゆる点を総合的にみた場合、インプラントが最も優れた治療法といえます。
ブリッジは見た目・噛み心地の点においてはインプラントに次ぐ治療法で、インプラントよりも低価格・短期間で治療できるのがメリットです。
入れ歯は見た目や機能性が他の治療法よりも劣りますが、「外科治療が不要」「歯を削らない」「期間が短い」など、治療による負担が少ないのが特徴です。
治療に際してはそれぞれの方法の特徴やメリット・デメリットをよく理解し、歯科医師と相談のもと自分にあった治療法を選択していきましょう。